【コアラ・マットレス】デジマ担当1人・単一商材でも成果を出し続けるクリエイティブの考え方

川本 宗千力 Jan 6, 2021 9:58:37 PM

この記事は 2020 年 9 月 16 日に行われたウェビナー(こちらから録画をご覧いただけます)を元に作成しています。

Koala 社が Smartly.io のモジュール式テスト手法を用いて CPA を 38% 削減した成功事例もこちらからご覧になれます。


坂本:本日ゲストとしてお呼びしているのは、Koala 社のデジタルマーケティングを担当されている伊藤 絢貴 (イトウ アヤキ) さんです。

スピーカー: 伊藤 絢貴 (イトウ アヤキ)

オーストラリア在住のデジタルマーケター。2017 年コアラ入社。日本への市場展開から始まり、現在は Social, SEM, SEO, アフィリエイトなどを担当。

 

伊藤:伊藤です。Koala でデジタルマーケティングを担当しています。2017 年、日本に市場展開する半年前ぐらいに Koala に入社しました。今は SNS 広告、SEM、アフィリエイトなどを担当しています。

坂本:よろしくお願いします。今年 (2020 年) はコロナで、御社のマーケティングにも色々と変化やチャレンジがあったんじゃないですか?

 

コロナ禍における Koala のマーケティング

 

伊藤:コロナ禍のオーストラリアでは、「ステイホーム」や「ローカルの店舗、地元の商品・サービスをサポートしよう」などの同じようなメッセージがテレビで流れていました。その中でどうやって Koala が他の会社のメッセージと差別化できるかというのが 1 つの重要なチャレンジでした。

坂本:同じようなこと言っても埋もれちゃいますからね。

伊藤:その上でちゃんと自分のブランドの価値とは何かを考えて、顧客や消費者のための広告を打って、メッセージを伝えることが大切だと考えました。

坂本:なるほど。逆にいうと、それをやらずに広告打ちまくってると、消費者からはそのブランドに対してそっぽを向かれちゃうってことですね。

伊藤:そうです。なのでブランドを確立する上で重要なのは、ブランドが持つ “一貫したミッション” を持つことだと思います。

坂本:その時になって初めて考える、ではダメってことですね。

伊藤:Koala が創設当初から掲げて実行している、「どんな人にも快適な生活を提供する」というミッションや、環境への取り組みは、大きくプラスに働きました。

伊藤:実は Koala はパフォーマンスを無視する広告をたまにリスクを負って出すのですが、実際に出した広告はまさにそれでした。その広告はエンゲージメントがすごく高くて、平均視聴実感やそれまでの広告と比べても異例の高さでした。

坂本:同じ人が何回も見たりもしてたんですかね。

伊藤:そうですね。直接的な購入に繋がったわけではないのですが、消費者に “一緒にコロナに立ち向かおう” というメッセージを伝えることができた一例だと思います。

坂本:なるほど、面白い。

季節性キャンペーンのクリエイティブで押さえるべきポイント

伊藤:ここからが年末商戦を乗り切るコツです。1 つ目がクリエイティブプランニングの重要性、2 つ目がクリエイティブテストの重要性についてです。まず、クリエイティブプランニングに関しては、特にシーズナル (季節性) キャンペーンでクリエイティブに必要なことが 3 つあります。

坂本:どんなことですか?教えてください。

伊藤:まず 1 つがブランドのポジショニングをはっきりすることです。一目広告を見た時にどのブランドか分かるようにしなければいけないと思います。

坂本:なるほど、確かに分かりやすさは大事ですよね。

伊藤:Koala 社はキャンペーンの計画と一貫させるため、100 ページに渡るブランドガイドラインを作っています。

坂本:すごい!何が書いてあるんですか?

伊藤:例えばパステルの色、フォント、スタイリング、などが厳しく規定されていて、それをもとに広告を作っています。なので一目見て Koala のブランドなんだなというのが分かる広告になっています

坂本:確かに、タイムラインで一瞬見ただけで Koala の広告はすぐに分かります。

 ※参考 : Koala の Facebook/Instagram 広告ライブラリ

伊藤:2 つ目が季節とブランドストーリが一致することです。つまりシーズンに合わせたメッセージやビジュアルが重要ということです。

坂本:それは、確かにそうですよね。

伊藤:特に Facebook で色んな広告が流れてくる中で、例えばクリスマスといえば赤と白といった、認識学的な類似性や一貫性は、その広告を見るか見ないかの大事な要素になってきます。

坂本:なるほど。

伊藤:3 つ目は質にこだわることです。やはりどんな広告も 1 番重要な基本的な要素をクリアしないといけないと思います。

坂本:基本的というのは、例えばどんなことですか?

伊藤例えば YouTube、Facebook など、動画メインの広告では最初の 3 秒が命です最初の 3 秒が 95% ぐらいパフォーマンスを決める要素だと思います。

坂本:たった 3 秒だけでとは、なかなか厳しいですね。

伊藤:はい。加えてブランドやセールの割引額など、1 番重要なメッセージを動画のどのタイミングに入れるかも重要になります。

坂本:なるほど。御社は毎シーズンめちゃくちゃ沢山クリエイティブを作ってると思うのですが、インハウスで作られてるんですか?

伊藤:5% ぐらいエージェンシーにお願いすることはあるんですけど、あとはロジスティクス、マーケティング、クリエイティブからファイナンスまで全てインハウスでやってます。

坂本:ロジスティクスというのは、商品自体の配送もってことですか?

伊藤:はい、社内に配送・流通を行う部門があります。

坂本:ほぼ全ての業務がインハウスなんですね。

季節性キャンペーンのメディアプランニング

伊藤:プランニングの 2 つ目の要素がメディアプランニングです。まず最初にリサーチが重要です。過去のデータを用いて今年の消費者動向というのを調査することです。

坂本:具体的にはどういうことを調べるんですか?

伊藤:例えばセールを行う場合は、2〜3 週間前から、ブランドネーム、セール・クーポン・割引という検索ワードが増えてきます。消費者がどういうサーチのキーワードで検索してるかによって、サーチのキーワードリストに入れたり、キーワードごとの入札額を上げたりすることができます。

坂本:めちゃくちゃよく考えられてますね。

伊藤:2 つ目が下準備です。リマーケティングの話なのですが、セールを行うことで、実際どれぐらいの予算でどれぐらいのコンバージョンを生めるのか、全くわからない方も多いと思うんです。

坂本:確かに。

伊藤:その際にリマーケティング層の規模をデータで可視化できると強いです。例えば Koala だとカート追加者の現在値とリマーケティングのサイズが一致している状況が多いです。こうしたセールスの上がり下がりに比例するデータを利用して、売り上げの予想をしたり、1 ヶ月前に比べてリマーケティングのリスト、つまりカート追加者の数が 10% 増えていれば予算を 10% あげたりしています。

坂本:なるほど、近い将来の売り上げが高い精度で予測できるわけですね。さすがです。

伊藤:我々も以前は、かなり非現実的な予測をしてしまって、全然思ったように上手くいかないということもあったので、下準備はとても重要だと思います。

坂本売り上げに対してどの KPI が先行指標になってるのかを見つけた上で、その先行指標を事前に上げるためにはどうしたら良いか、という形でプランニングすると良いということですね。

伊藤:その上で分からない要素というのがたくさんあるのでここで重宝してるのが Smartly の PBA (Predictive Budget Allocation) や Budget Pools です。

坂本:宣伝ありがとうございます(笑)。

※PBA (Predictive Budget Allocation) = 指定した種類のコンバージョンの最大化・単価の最小化を目指し、AI が予測に基づき広告セット・キャンペーン間で自動的に予算を配分してくれる Smartly.io の独自機能

※Budget Pools = 元々 PBA が同じキャンペーン内の広告セット間での予算配分を行う機能だったのに対し、異なるキャンペーン間での予算配分も自動で行う Smartly.io の独自機能

伊藤:キャンペーン 1 つの中でも、広告アカウント構成上のキャンペーンは何個もある可能性があるので、違うオーディエンスを含めたキャンペーンの間でどうやって予算を振り分けた方が良いのか、というのは僕も分からないことが多いです。

坂本:データを見るまでは正解が誰にも分からないですからね。

伊藤:そういった状況でマシンラーニングを使う PBA や、新機能の Budget Pools をテスト中です。

坂本:Koala さんはそういった新しい機能の導入もかなり積極的ですよね。

クリエイティブ・テストの方法論

伊藤:次にクリエイティブテストについて説明させてください。そもそもクリエイティブテストはすごく重要じゃないですか。

坂本:そうですよね。SNS 広告の成否はそこでほぼ決まると言ってもいいぐらい。

伊藤:広告運用には欠かせないものというのは当然の話だと思うんですけど、状況によってクリアするものが難しい状況というのもあると思うんです。

坂本:例えばどういう状況ですか?

伊藤:広告のテストで重要な要素に、コンバージョンの最低数最低予算額があります。そこまで達しないと統計的に結果が出ないので、数が溜まるまである程度の予算と時間が必要ですよね。

坂本:そうですね。

伊藤年末商戦はほとんどの会社が 1 番予算をたくさん積み、コンバージョン数が多くなる時期だと思います。こういう時期にどれだけクリエイティブテストを実施して、広告を最適化するかというのはすごく重要な点だと思います。

坂本:なるほど。普段だとクリエイティブテストの数を4つぐらいに抑えとかないと充分なコンバージョン量が集まらない会社でも、年末なら 10 個 20 個クリエイティブを作っても統計的に充分なコンバージョン量が集まりやすいから、よりテストを頑張ろうよということですね。

伊藤:そうです。結果が早く出やすいということはクリエイティブの最適化を早い段階でできるということなので、こういう時期にクリエイティブのテストをしないのはもったいない。

坂本:なるほど、仰る通りですね。セールス時期でコンバージョン集まりやすい時期の方が、テストデータが集まりやすいからクリエイティブテストしやすいと。

伊藤:そうですね。結局テストを行う理由の 1 つ目は何かしら学びを出すことで、2 つ目がキャンペーンの広告を最適化することだと思っています。

坂本:ほうほう。

伊藤:人間じゃ考えられないような要素や、認識学・視覚的な要素がパフォーマンスの良さに繋がったりすることもあるので、そこは AI などの力を頼るしかないと思います。

坂本:御社みたいに各シーズンごとに何十点とクリエイティブ作ってても、いまだに予測できないものですか。

伊藤:予測できないですね。動画の最初の 3 秒が重要だとか、動画の 3 秒過ぎた頃にブランドを載せた方が良いというようなことは分かるんですけど、どういう風に見せるのか、どういう風にモデルを使うのかに関しては色んな要素が合わさってくるじゃないですか。

坂本:そうですね。

伊藤: SNS や消費者の行動は刻々と変わるので、どの広告がパフォーマンス良いのかも日々変わっていきます。

坂本:だからこそたくさんの素材・クリエイティブを用意してテストをしないと、肌感覚で選んだパフォーマンスの悪いものを使ってしまう可能性があるということですね。

伊藤:そうですね。

坂本:非常にわかりやすい説明でした。本日はありがとうございました!

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著者
川本 宗千力
Smartly.io 日本チーム インターン。2021 年 4 月からは広告営業として外資 IT 企業に入社予定。東京大学 4 年。

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