成功する広告を求めて:ストーリーラインの反復テストを継続的に行う方法

小畑 鑑人 Apr 12, 2021 4:47:05 AM

当社 Smartly.io の調査(英語)によると、44% のブランドが 2021 年にアニメーションや動画などのフォーマットでダイナミック (動的な) クリエイティブの利用を増やしていくと回答しています。動画が消費者と繋がるための強力なフォーマットに成長した今、どの動画が視聴者の心に響くのかを知るにはどうすればよいでしょうか?

ご心配なく!『クリエイティブの自動化』と『テスト』の連携こそがその答えです。Smartly.ioのクリエイティブツールを使えば、モジュール方式の制作ツール(英語)と動画テンプレートの両方を利用することができます。

Smartly.ioのモジュール式アプローチは、動画広告を様々な組み合わせで自動的に作成します。動画テンプレートでは、デザイナーが作った 1 つのテンプレートから複数の高品質な動画を作成することができます。

これらを Smartly.ioのクリエイティブテスト機能と組み合わせることで、どの組み合わせやストーリーが視聴者に響くのかを知ることができ、継続的なパフォーマンスの向上につながります。

例えば Uberはモジュール式アプローチを早くから採用している企業のひとつです。今回のブログ記事では、UberがSmartly.ioの Creative Studioチームと共に、1 つの動画から複数のストーリーラインを作成し、どのようなテストを行って成功を収めたかをご紹介していきます。

既存の動画広告から様々なストーリーを構築する

Uber_Driver_HVD_Case_Study_structure

Uberは彼らのバリュープロポジション (根源的価値) である「サポート」と「即時支払い」を強調した 2 種類の動画広告を、Uberドライバーになる可能性がある人々に向けて作成しました。Smartly.ioのCreative Studioはまず、感情に訴えかける広告は、長期的にバリューを生み出す可能性が非常に高いという仮説を立て、バリュープロポジションを表現する「Rational(合理的)」と「Emotional(感情的)」という異なる 2 種類のストーリーを提案しました。

そして、既存の動画広告を「ビデオクリップ」「字幕」「アテレコ」という異なるモジュールに分解し、組み合わせることで、広告に対する「Rational(合理的)」、「Emotional(感情的)」な反応を高める 6 種類の動画広告を生み出しました。

Creative Studioチームは広告が効果的かどうかを確認するために、継続的なテストプランを実施し、最速でブランディング戦略を最適化しました。既存の動画と、新たに作成した「Rational(合理的)」と「Emotional(感情的)」の動画をテストすることで、理想のUberドライバーに近い顧客層に様々な形でリーチし、ブランドリフトのテストに成功しました。

バリュープロポジションを強調した動画広告:『サポート』編

Uberは「ドライブを通じて、大切な人を支えるためにあらゆる可能性を提供する」という『サポート』のバリュープロポジションを伝えたいと考えていました。

オリジナルの広告では、年老いた両親を支えるためにUberを運転する女性が登場し、動画の最後に両親のもとに訪れます。Uberはこの広告で、大切な人と一緒に運転することで彼らを支えることができるという可能性を伝えたかったのです。

オリジナルの動画広告の構成

Storyline-Uber-Support-Original

オリジナルの動画広告はドライバーが車に乗っているところから始まります。そこには、家族の写真というプライベートなものが垣間見え、彼女の運転に対するモチベーションを表しています。その後、彼女がUberアプリを操作し、Uberのスタッフからサポートを受ける様子が映し出されます。そして、場面はドライバーの個人的な環境や毎日仕事をする理由に移り、最後にキャンペーンのタグラインである「What moves you, moves us」で締めくくられます。

『感情的な』広告の構成

 

Storyline-Uber-Instant-Emotional

Smartly.ioのCreative Studioは、ストーリーの一部であるドライバーのプライベートな『生活』や『モチベーション』を示すパートがより感情的な重みを持つものであると考えました。一方、他のシーンではアプリの操作やバリュープロポジションなど視聴者にとって有益な情報を提供しています。

『感情』部分を強調した広告では、視聴者はまず『モチベーション』のシーンを見て、次に『目標』である両親が車に乗っているシーン、最後にアプリの操作シーンを見ます。

『合理的な』広告の構成

Storyline-Uber-Instant-Rational

『合理的な』広告のために、Creative Studioのチームは映像の順番を変更しました。広告はアプリの『操作シーン』で始まり、運転シーン、そして感情的なモチベーションを見せるシーンで終わります。全く違うオープニングシーンとメッセージを視聴者に見せることで、異なる方法で関心を引くことができます。ビデオの最初の数秒は、反応に大きな影響を与えます。

バリュープロポジションを強調した動画広告:『即時支払い』編

『即時支払い』のバリュープロポジションは、必要な時に収益が得られることのパワー/利益をアピールしています。オリジナルの動画広告では、Uberを運転する父親が、即時支払いを利用することで、娘のボクシング教室の月謝を支払うことができたというストーリーになっています。

オリジナルの動画広告の構成
Storyline-Uber-Instant-Original

Creative Studio のチームは、オリジナルの広告構成を分析し、感情的なシーンと情報量が多いシーン、字幕、アテレコに分解しました。それらを組み合わせて、「Rational(合理的)」な構造と「Emotional(感情的)」な構造でストーリーを表現する広告のバリエーションを作成。

オリジナルの動画広告では、父親がUberで運転をしています。彼にはボクシングをする娘がおり、Uberで稼いだお金で娘の趣味をサポートしています。

『合理的な』広告の構成

Creative Studioは、『合理的な』広告の作成にあたり、情報を多く含む『アプリの操作シーン』からストーリーを始めました。視聴者は父親がUberの即時支払い機能を使って収益を確保し、それをモチベーションである娘のために使うというストーリーを見ます。

Storyline-Uber-Instant-Rational

『感情的な』広告の構成

Smartly.ioのCreative Studioチームは『感情的な』動画を作成するにあたり、まずドライバーの『モチベーション』を強調し、彼がなぜUberで運転することを選んだのかを表現したいと考えました。その後、アプリの操作方法や、即時支払いが利用できることを伝えるシーンに移ります。

Storyline-Uber-Instant-Emotional-2

最終的な動画構成の比較
サポートを強調したストーリー

即時支払いを強調したストーリー

上の例では、『サポート』」と『即時支払い』の両方のバリュープロポジション (根源的価値) について、オリジナル、感情的、合理的なストーリー構造など、すべてのバリエーションを見ることができます。

反復的なテストでブランドリフトを発見するためのクリエイティブ構成

Smartly.ioのCreative StudioチームとUberは『リフト・テスト』を通じてブランドリフトを計測。結果的にどのような構成とバリュープロポジションの組み合わせが、ターゲットとなる視聴者に最も高いリフトをもたらすかを確認するため、全てのデータを分析しました。

その結果を受け、Creative StudioチームとUberは、次のクリエイティブの反復的なテスト方法と仮説を立案し、今後の動画広告の取り組みの指針とすることができました。

ビジュアル面や構成面での改善点は無数に挙げることが可能であり、Uberチームは『モジュール式』アプローチによってテスト手法やフレームワークを何度でも再利用することができています。

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著者
小畑 鑑人
Smartly.io 日本チーム インターン。2022 年 4 月から ユニコーン企業に入社予定。横浜国立大学 4 年。

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