あなたのFacebook広告、時代遅れな設計してませんか?オーディエンスを分割したほうが良いのはこの4パターンだけ

坂本 達夫 Jun 4, 2020 9:32:40 PM

Smartly.io の坂本です。これからこの blog で定期的に、SNS 広告についてのちょっとしたヒントを配信していきます。

前提:キャンペーンや広告セットの細分化、それ時代遅れですよ

昔は Facebook・Instagram で広告を配信する際、国・地域や都市・年齢・性別・興味・行動・プレイスメント・モバイル端末の種類・カスタムオーディエンス etc… によってオーディエンス (広告セット) を分割して、予算や入札の調整を行うというのが一般的な方法でした。

Facebook が広告プラットフォームを立ち上げた当初からしばらくの間は、そのような「精緻なターゲティングが出来る」というのが大きな価値だったからです。

ですがこの方法は、今では事実上時代遅れになっています。その理由は、プラットフォームが持つ膨大なデータと、それを分析する機械学習テクノロジの進化によって、人間の判断よりもアルゴリズムに任せたほうがより正しい意思決定ができ、さらに規模の面でもメリットがあるようになったからです。

単純化した例えで説明します

従来→ 人間が【うちの商品は 30 代の女性がターゲットだ】と考えてターゲティングをしていた。

Facebook に丸っと任せると→ 様々なデータから。

【30 代の女性の中でもこういう特徴の人は購買に繋がりにくいから掲載を控えよう】

【逆に 20 代・40 代でもこういう人は購買する傾向が高いから、これぐらいの単価で入札しておこう】

【なんなら男性でもこういう行動特性ある人はコンバージョンしてくれそうだぞ】

といった学習と配信を自動的にやってくれます。

この方法のほうが、精度も上がって、規模もより大きくできます。もちろんデータ溜めるフェーズは必要です。詳しくはこちらの記事 (外部リンク) を参照してみて下さい。

つまり、コンバージョンに繋がりやすいユーザーを見つける仕事は、マーケターであるあなたがやるのではなく、Facebook プラットフォームにやらせたほうが効率も効果も高いということです。

理由:プラットフォームのほうが人間より賢くターゲティングできるから

事実、Facebook のユーザー 1 人あたりの収益は、2011 年の 5 ドルから 2018 年には 24.96 ドルになっています。この収益の伸びの原動力は、単に 1 人あたりの広告表示数が増えただけではなく、製品開発です。広告主がより良い結果を得られるように広告配信を最適化し、マーケターがコンバージョンの可能性が高いユーザーに到達するためのツールがどんどん精度が上がっているのです。

Facebook には当然、マーケターがアクセスできない類のデータが多くあり、またデータが多いということ自体が機械学習の精度を高める上での強い武器になっています。

現在も、そして今後はよりいっそう、広告主は Facebook の強力なアルゴリズムに頼るべきです。キャンペーンを作成する際は、できるだけ多くのオーディエンスをターゲットに含め、キャンペーンや広告セットを極力分割しないことをお勧めします。

キャンペーンや広告セットを細分化しないことは、キャンペーン作成・入稿や運用・最適化、レポーティングといった、キャンペーン管理のあらゆる作業負荷を軽減できるというメリットもあります。

例外:オーディエンスを分割したほうがいい4つのケース

とはいえ以下の 4 つのパターンでは例外的に、オーディエンスを分割したほうが良いと言えます。

1. Facebook が提供する以上のインサイトを求めている

Facebook では、年齢・性別・プレイスメント・デバイスのレベルまで細分化したレポートを提供しています。しかし、興味や行動特性・都市・カスタムオーディエンスによる内訳といった単位で、誰がコンバージョンしたのかをより詳しく知りたい場合は、オーディエンスを分割するとよいでしょう。

しかし、これらのインサイトを得るためにキャンペーンや広告セットを細分化することは、Facebook の最適化能力を低下させる代償を伴います。従ってこのアプローチは、あくまで情報を得るための、一時的なテストのセットアップにのみ使用するのがベストです。

2. 広告セットのレベルでサードパーティのトラッキングをしたい

Google アナリティクスなどのサードパーティのトラッキングを、広告セットレベルで利用したい (例:オーディエンスごとにユニークな UTM タグを使いたい) 場合です。

3. "最後の購買からの経過時間" によって分けられたリターゲティング用ユーザーセグメントごとに予算を配分したい場合

例えばデータを分析した結果、リターゲティングウィンドウが長くなればなるほど、広告の効果が低下することが分かったとします。その結果、1 日前にウェブサイトを訪問したユーザーに、1 週間前に訪れたユーザーと比較して、より多くの予算を割り当てたい、といったケースがあります。

そのような場合は、最終訪問から「1 日以内」「1〜3 日」「3〜7 日」「7〜30 日」などとオーディエンスを広告セットに分け、それぞれに最適な予算配分を行うのが効果的です。

4. 特定のユーザーに合わせた広告クリエイティブを表示させたい

データが「特定のオーディエンスが、特定の広告クリエイティブに対して、異なる反応をする」ことを示す場合があります。このようなケースでは、個別にターゲットを絞ることが必要になるかもしれません。

例えば、男性と女性で異なるクリエイティブを表示したり、異なる都市に住む人のために広告コピーをカスタマイズしたりすることが考えられます。

しかし、Segment Asset Customization (SAC) = セグメントアセットのカスタマイズ機能 (※) が登場したことで、ユーザーセグメントに合わせて広告クリエイティブをカスタマイズする際に、オーディエンスを分割する必要はなくなりました。

※後述しますが、ジオターゲティングのタイプに応じて広告アセットをカスタマイズすることができる機能で、API を通じて一部の広告主に提供されています。ドキュメントはこちら

上記以外のケースでは、オーディエンスを分割しないのが大原則

繰り返しますが、大原則は、不必要にオーディエンスを分割しないことです。しかし最近までは、ユーザーの所在地に合わせた異なるクリエイティブを配信したり、オーディエンスごとのコンバージョンの価値が異なる場合に、オーディエンスを分割するケースがありました。

でもご安心ください。Segment Asset Customization (SAC) の登場と、Bid Multipliers で異なるコンバージョン値を使用できるようになったことで、このようなケースは不要になりました。

1. SAC = セグメントアセットのカスタマイズ機能

オーディエンスを分けることなく、異なる場所にいる人に異なるクリエイティブを見せることができます。

セグメントアセットのカスタマイズ機能では、1つの広告セット内でオーディエンスを小さなセグメントに分割し、各セグメントに表示される広告クリエイティブをカスタマイズすることができます。

例えば、男性と女性に異なる静止画を表示したり、異なる場所に住む人々に異なる動画を表示したりすることができます。SAC を使用することで、1 つの広告セット内ですべての学習を維持しながら、クリエイティブをさらにカスタマイズし、パフォーマンスを最大化することができます。

セグメントアセットのカスタマイズについての詳細は、いずれ別記事で詳しくご紹介します。

2. Bid Multipliers 

ユーザーグループごとに入札をカスタマイズできる機能です。

Bid Multiplier が出てくる前は、LTV (ライフタイムバリュー = 生涯価値) がそこそこ異なるユーザーに対して、異なる入札を行うことがベストプラクティスでした。

例えば、あるファッション EC サイトでは、Facebook 経由でコンバージョンしたユーザーと比べて、Instagram 経由でコンバージョンしたユーザーの LTV が 2 倍だったとします。このような場合、これらのグループ (placement) を異なる広告セットに分割することは理にかなっていました。

Bid Multiplier が導入されたことで、広告セットを分割する必要はなくなり、同じ広告セット内で Instagram の方が入札が高くなるような調整が出来るようになりました。これにより、1 つの広告セット内に学習が蓄積され、パフォーマンス向上の可能性は高まります。また、キャンペーン構成の複雑さを軽減することで、管理工数を節約することができます。

Bid Multiplier についてもいずれ詳しく書きますね。

まとめ

そうせざるを得ない理由が特別な理由がない限り、オーディエンスを分けるのはやめておいたほうがいい

知ってる人にとっては今更かもしれませんが、いまだに過去のベストプラクティスに則って運用しているケースや言説が散見されるので、あらためて解説してみました。

Smartly.io では、この記事で紹介した機能はもちろん、API 経由でしかアクセスできないFacebook・Instagram 広告の様々な機能をプラットフォーム上で提供しています。また、世界中の広告運用やクリエイティブの最新の知見が集まっています。

詳しく知りたい方はこちらのページからお問い合わせください。

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著者
坂本 達夫

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